2006年06月06日

ぼくを葬る/Le Temps qui reste

le_temps_qui_reste00.jpg

「ぼくを葬る」観て来ました。

自分の事、自分と関係無い事、死ぬこと、家族のこと、人のこと、頭の中に、考え付くことが溢れ出しちゃって大変。

こういうのって、どうやっても自分にあててしまいがちなワタシ、落ち着いて観る事を心がけつつも、
主人公ロマン君の1コ1コが、沁み込んできちゃって大変。

主人公を演じる、メルヴィル・プポーくんが、美しすぎて大変。

もしも、映画を、お話や、俳優さんや、その他、細かく項目ごとに分けて採点して、合計点出したとしたら、コレ上半期ベスト1って言っちゃうくらい、素晴らしい映画だと思う。

コレと同様に、自分の死期を知ってしまった主人公が、それまでをどう過ごすかというお話の、「死ぬまでにしたい10のこと」を観た時は、もー、だばだば泣けちゃって、取り乱しちゃって、ワヤクソだったけど、この映画を観てる間は、涙腺のゴムパッキンが、微妙に痛んでる状態みたいに、水気が、じわーじわわーっと鼻ん中に流れ込んじゃって大変。

自分が近々死ぬことを知ったロマン君の行動は、決して、整然としてるわけじゃないし、毅然としてるわけでもないんだけど、その一つ一つが、グッと来ちゃって。

死ぬことを、話そうと思った家族に対しては、思いが複雑すぎて、話せなかったり。
死ぬことを、話さないと決めて、突き放した彼氏くんに、一人、心の中で謝ったり。でも、最後に一度だけ触れ合いたく思ったり。
見ず知らずの赤の他人に、今も未来も、自分の全てを、預けてみたり。

そして、死ぬことを、唯一話した、自分と似ているおばあちゃんには、彼なりに取り乱してしまったり。
一瞬、「デュラス 愛の最終章」を、思い浮かばせる、ジャンヌ・モローが演じるおばあちゃんの、
“今夜、あなたと死にたい”という台詞は、微妙に痛んだ、涙腺のゴムパッキン決壊ポイント。頭、ガツーーン。

ロマン君の最後の行動って、残された人達にとっては、かなりなダメージだと思うんだ。
いろんな事、後悔させると思うんだ。
でも、死んでいくロマン君の最後は、落ち着いてて、満ち足りてて、もしかしたら、幸せそうにも見えてくるんだよ。
死ぬ時くらいは、エゴ丸出しても、良いのかもね。
死ぬ時くらいは、自分の愛する人達にも気を使わないくても、良いのかもね。

自分も、死ぬことが決まったら、落ち着いていたいと思う。
後で、神様に、自分勝手だって怒られてもいいから、どうか、落ち着いた自分でいたいと思った。

でも、多分ワタシのことだから、取り乱しまくって、わがまま言いまくって、周りの人に同情を請うて、大暴れしそうなんだ。
あががー

あと、ひとつだけ。
ファッソンのカメラマンで、元気だった時は、美意識バリバリだったと思うロマン君が、自分なりの身辺整理を始めた途端、青島ジャンバーみたいの着ちゃうのね。
終いには、頭、坊主にしちゃうし。
頭、坊主は、色んな事表してる様ば気もするし、似合ってるから良いんだけど、青島ジャンバーは、ワタシ的にいただけなくて、ちょっぴりがっかり。
いや、頭、坊主も、ラストシーン(子供の頃の自分と対比)の事考えると、クリクリのままの方が、良かったなぁ・・・

そして、↓ココからは、鑑賞済みの方に読んで欲しいのですが・・・
いえ、特にネタバレってワケじゃないけど、何かしら、答えが欲しいっていうかそのぉ・・・

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投稿者 kove : 23:49 | コメント (21)

2006年01月07日

SUGAR/シュガー

sugar.jpg←このパッケージの写真とか、以前オススメされたときの感じから言って、何かしら邪な気持ちもチラリとよぎりつつ鑑賞してみたよ。

うーん・・・
映画の出来としては、どうなんだろか?
(↑おま、何様じゃ。)
作った人が、頭の中に思い描いたシーンを撮って繋げてみましたって感じがしてしまいましたよ。
もちろん、ストーリーというか、登場人物達の時の流れはちゃんとあるし、それぞれの変化もあるし。
どこにも破綻無くエンディング迎えてますよ。
なんだ、うーん・・・まとまりみたいな物が欠けているのか。

でもね、嫌いじゃないでしたね、コレ。
作った人が、頭の中に思い描いたシーンが、痛いのばっかで、笑ってても痛くて、見てて辛くなってくんだけど、その痛さが妙に気持ちよくも感じたり。

あ。
そっか、コレ、見ながら、なんだろうなんだろうと思っていた感じ、フランス臭かな。
フランス映画の、体験したくないけど覗いてみたい的な痛さかな。
・・・かな。

ふと、コレなんかを思い出してみたり。
・・・全然違うな。
コレは、めっちゃアメリカ臭だもんな。


主役の二人は、男娼でジャンキーのブッチ(Brendan Fehr)と、冴えない高校生クリフ(Andre Noble)。

この二人が出会うトコから始まるんだけど、その出会ったときのクリフに、おばちゃん衝撃。
もーね、しっぽが!しっぽが生えてましたよ、絶対。
いかがわしい通りで、ビクついてるところにブッチとであったクリフ、犬!子犬でしたよ。絶対。
そんなに可愛いわけではないんだけど、その表情はスゴかったなぁ。


鑑賞後にまた衝撃。
そんな“子犬っぽい”じゃなくて、“子犬”なクリフを演じた、Andre Nobleくん、コレが公開された年(2004年)に、死んでたよ。
なんかもう、びっくりしすぎて手が痺れたわ。

AndreNoble.jpg


コレしか見てないから大そうなこと言えないけど、っていうか、コレしか見てないから言えるのかもしれないけど、もったい無さ過ぎ。

あんな名犬演技見せといて、死んじゃうなんてひどいよな・・・

オヒサルサイトにある、トリビュートフィルム見てみてみー。
ちょっと涙出る。


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投稿者 kove : 00:04 | コメント (0)

2005年12月20日

青い棘/Was nützt die Liebe in Gedanken

aoitoge.jpg「美しさは、それだけで罪なもの。

映像美とロマンチシズムに満ちた

美少年の愛のデカダンスは、

まさに美の極致である。」
by華道家・假屋崎省吾

假屋崎先生、お友達になりませんか?
まずは、メル友から。
嘘。(嘘か!>自分。)

と言ったわけで、ワタクシ、「人間は2種類に分けられる。愛されるものと愛するもの・・・」を、鑑賞して参りました。

↓バリバリネタバレバーレですので、要注意です。


假屋崎先生のこの映画に対するコメントに全面降伏したワタクシですが、“美少年の愛のデカダンス”という部分の、美少年という表現にはちょっと・・・。
ま、“少年のピークは11歳説”を唱えるワタクシの言う事なので。

物語上、↑うえに映った男子二人は、19歳と言う設定です。
この映画の元になった、1920年代に実際にドイツで起こった、「シュテークリッツ校の悲劇」の当事者が、19歳だったので、当たり前っちゃ当たり前ですけど。

ちなみに、上画像、黒髪の方、パウルを演じたDaniel Brühlくんは、1978年生まれ。
黄色い髪の方、グンターを演じた、まぶたが芸術品の、August Diehlくんは、1976年生まれ。
そして、グンターとその妹ヒルデ、両方と関係を持つハンスを演じる、
Thure Lindhardtくん(←クリックで、デカ。左側。)に居たっては、1974年生まれ。
あ、ハンスの年齢は19歳じゃないのか?
ま、でも、同じくらいの年齢のはず。
でも、一番フレッシュに見えますよ。
フレッシュ?

なんにしても、全員が、撮影当時、すでに20代も半ば過ぎだったってことですよ。

でもね、ワタクシ、全然それにプンスカ来てるわけじゃありません。
むしろ、少年としての腐りかけ、大人になる為の繭状態とすれば、ものすごくハマってます。
金持ちと貧乏人、分別有りと無し的な、主人公二人に関してはモチロンですけど、フレッシュ・ハンスがまた、イイですよ。
いや、カワイイってことだけじゃなくて、なんていうか、主人公二人とは別物なんだよ的な匂いが、物凄く上手く出てるんですよ。
完璧じゃない、ちょっと卑しさみたいな物が漂う表情(顔立ち?)がね。

凡人スレスレなパウル、刹那MAXなグンターと共に、絶妙過ぎで、もう少しで嫌味になりそうなくらいです。


登場人物たちが過ごす、夏の別荘の中も外も、全てのシーンが唸る位美しくて、その中でもがいてる若者達が、これまた美しくて、公式サイトのトップに書かれた、
陶酔のロードショー
を見たとき、上手いこと言うわぁ~と、また唸りましたよ。

コレ、「グッバイ、レーニン!」の製作チームだそうで。
なるほろ~
味は違うけど、細部まで凝りに凝りまくったつか、こだわりにこだわりまくった、全部の場面が、まるで何か特殊な定規で測ったように美しい。

変わった形の星座占いマシーンが置かれてるのが、棚に収まりきらなくて無造作に床に詰まれた蔵書の上だったりとか。
登場人物の色、洋服とか髪とかまで、きっちり測られてるの。
特殊な定規で。

そう。
やっと、ココで、冒頭に書いた、“人間は2種類に分けられる。愛されるものと愛するもの・・・”という、ワタクシが、深い感銘を受けた台詞に結びつくわけですよ。

実際、このお話の中では、はっきりと、愛するものと、愛されるものが分けられてますが、ワタクシが感じたのは、そうじゃなくて、普通で居られるものと普通じゃいられないものでした。
製作者も、その辺、感覚は微妙に違うかもしれないけど、意識してるんじゃないかと思わされたのは、ある同時進行の二つのシーン。

ハンスを挟んで、ハンス、グンター、ヒルデの微妙な関係がはっきりする、湖のシーン。
この三人は、全員が黄色い髪に、全身白い衣装。
美しいです。
美しいけど、3人が3人とも普通では居られない人たち。

一方、パウルと、パウルに恋しているヒルデの友人のエリの、木の上のシーン。
この二人は、黒い髪に黒が入ってる衣装。
普通に居られる、というか、自分で目が覚ませる人。

とか言っても、ワタクシの激しい思い込みと勘違いなんだろうけど・・・

肝心の、“真の愛を失った時、愛する者を道連れに自ら命を絶つ。”とか、“真の幸せは一生に一度、後にはその瞬間を一生忘れられない厳しい罰が待っている
という部分なんですけど、ワタクシ正直申して、見終えたあとから未だ混乱中。
昨晩は、それについて考えて、夜も ぐっすり寝てしまいました 眠れませんでしたよ。

パウルとグンターが結んだ、この取り決めは、なんとなく理解できる。
理解と言っても、自分もそう思うってことじゃなくて、若い頃の“思い込み”とか、“自己陶酔”の産物として、そこまでイっちゃうってのもありかな、と。

そこは判るんだけど、じゃ、それを実行してしまった、グンターの“一生に一度の真の幸せ”は、どこだったんだろ・・・?って。

っていうか、実は、ワタクシ、“グンターが本当に愛していたのはパウルなんじゃないの?”っていうのを、いまだに捨て切れてないので、グンター君の“真の幸せ”を感じ取れなかっただけなのかな・・・なんて不安になったり。

う~~~
コレ、誰かと実際にしゃべりながら語りたいわー
ワタクシには、文章で説明できない部分が多すぎるもん。

どなたか鑑賞済みで、ワタクシんちまで語りに来てくれる人居ないだろか・・・

いねーよ。


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投稿者 kove : 15:52 | コメント (0)

2005年12月19日

キング・コング/King Kong

kingkong.jpg
ワタクシ、師走の町へ、いそいそと、「デカいゴリラ」を観に行ってきました。
もちろん、ビリーきゅん ジェイミーくんに会いにね。

ワタクシ、デカいゴリラなんて、いや~ん。

そしたら、デカいゴリラなんかよりも、もっともっと怖い物が沢山出てきてね、もう、半泣き。
原住民さん、コワス!
虫、コワス!
ワンカ、コワス!
ワンカ、関係ないだろ。>自分。

元作は、子供の頃に、TVで見たような記憶があるんだけど、曖昧。
色んな場所で、色んなカタチで使われている(何かしらパロディ的なモノを含めて)のを見たのを、映画を観たと思い込んでいるのか。

でも、妙に細かい場面が頭をよぎるから、全部でないにしてもきっと元作の映画も目にはしてるんだろうね。
今度、見てみよう。

ってのも、今作。
どーも、いまいち乗り切れないし、納得行かない感。
キンコン(←絶対怒られる。ピーターに。ピーター・ジャクソンに。)と、パツキン女優の関係って、あんな感じ?
パツキン女優の薄幸さは、ちょっと辛かった島に行くまでの長~い説明で良く分かったけど、キンコンの事は正直どう思っていたのか。

自分、好かれちゃってるってのは、わかってるよね。
んで、キンコンの立場を可哀相だと、同情もしてるよね。
それだけなのかな。

エンパイアステートビルのてっぺんで、今にもチューしちゃうそうな、“コレはラブシーン?”的なあとに、キンコンが落っこちちゃって、ううう・・・って泣き崩れて。
でも、憧れてた作家さんが有り得ない登場の仕方で来てくれたら、きゃぴーん☆って。
その瞬間、島に居る時分、顔のデカい恐竜に追われて、キンコンが、自分の事を助けてくれようとしてるってのに気づいた時、恐竜に向かって、“ど~よ、食えるもんなら食ってみなさいよ~~ん”って、キンコンの下に隠れたシーンが、フラッシュバックしちゃったわよ。
女って、スゴイんだな。
落っこちてくキンコンが、そこで初めて本気で、心から不憫だったよ。

どこまでも純なヤツだったな、キンコン・・・。

っていうかねー、なんかさー、すんごいゴージャスな登場人物たちがねー、もったいね~って、
もちろん、主人公キンコンなのは重々承知だけどね、登場人物の皆様の思いが、なんかこう、わかりずれ~~って。

例えば、映画監督の映画を作る事に執着するあまりの狂気じみた行動もね、結局、見世物で稼ごうとするわ、終いにゃ、ラストのあの台詞。
こら~、それ、あんたのせいだから~~
(この辺、元作に忠実なのかしら?)
んで、その映画のクルーさん達も、特に、ハンクスさんちの息子さんの役なんか、さっぱりどうしたいのかわからんし。

ワタクシ的には、あの、恐竜ドドドーとか、虫わっさ~ってのとか短めにして、ビリーきゅんの船上ダンシングシーン キンコンとパツキン女優とか、その他人間同士の関係とかを、もちっと見せて欲しかったかもかも。

あ、そうそう、パツキン女優を演じた、ナオミ・ワッツ嬢の目は、キンコンの目と同じくらい、真ん丸だった。
いいなぁ、真ん丸の目。

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投稿者 kove : 18:03 | コメント (0)

2005年12月06日

ミリオンズ/millions

millions.jpg
あうーあうーあうーーあううーー

ワタクシ、幸せです。
幸せのあまり、あうあうが止まりません。

ポスター画では、邪悪な笑み満開だった、弟・Damianくんが、もうね、本編では、“天使?天使なの!?”と、
肩掴んで、ガクガク振り回したくなるほど、どこまでもどこまでも無垢なお子様で、おばちゃん気が変になりそうなくらい大好きです。

だってさ、←こんなん(クリックでデカ。)が、動くのよ、始めっから終わりまで、98分間、動きまくってんのよ。(当たり前。)
しかも、カワユイ声で、しゃべりながら動くのよーっ(だから、当たり前だっての。)
天国や神様を100%信じてる聖人マニアなんだけど、そこがまた、神様も仏様も全然身近に感じない、日本生まれの汚れきったおばちゃんの心を、ブルンブルン揺さぶってくれちゃうワケよーーっ

クレ!
おばちゃんに、コレ、クレ!!

んで、お兄ちゃんのAnthonyくん(←クリックでか)は、弟くんとは逆に、お母さんの死もすでに乗り越えるように見えて、しっかりしてて、っていうか、軽くちゃっかりさん。
経済にも妙に詳しくて、生意気なところが、これまたカワイイのよ。
“他のやつには内緒だぞ!”って、友達にお金を見せるシーンで、弟に目配せした後のウィンクには、おばちゃんクラクーラだわよ、まったくもう。
しっかし、誰かに似てる気がすんだよなぁ・・・誰だろう?
コイツの、子供の頃かしら・・・
違うなぁ・・・
でも、絶対カッチョ良くなるに、間違いないわ。

こんな二人が、いきなり空から降ってきた大金を巡って・・・と、思ってるうちに、実は大金に振り回されちゃってんの。
空から降ってきた大金が、実はすんごい犯罪がらみの、危ないお金だったから、その辺、サスペンスもあったり・・・
無かったり。

いや、サスペンス有りなんだけどね。
その辺は、ちょっとモタつき感。
でも、子供目線のファンタジーだもの。
何も、そこだけに、リアルは求めません。

風景も、音楽も、そして、少年も。
ワタクシ的に、大いに楽しめた、素晴らしい映画でした。


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投稿者 kove : 13:18 | コメント (0)

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::こぶちゃんが、映画見たあとに思ったことや知ったことを書きなぐりまくり。
間違っても、映画レビューとかでは無いです。 ネタもバレバーレで書いてます。
デカ過ぎ↑セクシー子犬くん。
趣味丸出し部。::