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カンフー・マスター!

事前の予備知識一切無し。
どこの国のどんなジャンルかも分からない、とても不思議な気持ちのままの状況で観賞。
よって、不意打ち。身構え無し。
生まれたて新生児が、ぴーんと伸ばされて、雪に埋められちゃったような状態です。

あー、ダメです。こんなん、反則です。やばいです。立ち直れません。
誰ですか、こんなトンデモない物をあたしに見せたのは!(うそ。ありがとう。心から。)

娘二人を持ち、夫と別々に暮らす女は、三十台半ば。
上の娘の誕生日パーティーに来ていた同級生の男子(14歳・一見、14歳に見えないほどチビで子供っぽい。)と、どうしようもなく出会ってしまう。

出会ってしまった《女にとっての》運命の瞬間のその後、女の独白にあたしは、すごく驚いた。
彼女の独白は、
“運命の瞬間の男子のまなざしにときめいてしまった”とか言うもの。
正直、あたしも同じようにその男子のまなざしに、マジでドキドキしていたから。
その段階で、すでにあたしはこの映画にやられきっていたんだろう。

その後の女の行動、男子のセリフ、全部が胃の辺りにきゅーきゅー来る。
あー、もうだめだ。

胃をきゅーきゅー言わせながらも、全て女に共感してしまえるわけではない。
この女、母親であることを決して放棄するわけではないけど、娘に対し自分が女であることも決して譲らない。
その辺がフランス人なのかな・・・

途中、それって、この物語に直接関係あんのかよと思わせる(いや、ある。大いにあるんだけど。)、女と友人の会話。
“男の子のやんちゃさに感動する”
と言った女に対しての友人のセリフ、
“あなたは男の子(子供)を持ってないからよ”
やばーーーーーーっ

あたしは、常々“自分の子供が女の子でよかった。”と思っている。
何故なら、もし、男の子だったら、可愛がりすぎてしまう、独占したくなってしまうだろうというのが、自分で予想できるから。

言い当てられてしまったあたしは、もう少しで頭が真っ白けになってしまいそうだった。

この女はどうだろう?
恋していながら、一度は母親役を演じようかなどとずーずーしいことを考えていた、この女は。


ラスト、痛過ぎ。
まるで、今までの甘い胃の痛みから、一気に腸捻転と盲腸併発くらいの痛さ。
分かってるけど・・・もちろん、そうであろうけど・・・

フランス人は、ロマンスと同じくらい残酷を好む人種なのか。

あと1つバットで殴られたようなセリフがあるんだけど、コレは一生忘れようにも忘れられないだろうから、
メモは無しで。



IMDb・Thank you でんでんさん.

か / 2003年12月16日

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