かげろう
予告でやられてたものの、色んな意味でそんなに期待せず鑑賞。
ぐは・・・ はー。 見事やられまくり。 見終わって、しばし呆然。 無意識の滝涙どばー。
はじまりの、爆撃シーンは辛い。 あー、戦争モノだったわ、と気づくの遅過ぎ。 でも、その後の緑が濃いシーンでまず引き込まれ。 その後は、もう、家族3人+少年の過ごす時間にのめり込み。 そして、正面から顔面パンチで、終了。
期待しない様にして臨んだ少年イヴァン役のギャスパー・ウリエルくんは、完全に反則技。 子供なのに立派な大人。 大人びているけれど、まるまる子供。 女の体は初めて見るけど、・・・。
しかも、この少年がどうやって生きてきたのか語られることも無し。 最後少しだけ。
二人の子供のお母さんであり、多分裕福な家庭の妻であり教師であった女オディールは、この少年を愛したのだろうか? 始まりの警戒心から、徐々に、ほんのちょっとずつ心を開いて行き、彼に寄りかかりつつも、自制心からか、“唐突な”彼の求愛には上手く答えられない。 あるきっかけで、たがが外れるまでは。 でも、見終えてぐるぐると思いをめぐらせてみると、その、“たがが外れた”きっかけが、実に曖昧な気がしてきたり。 オディールは、この厳しい状況で、張りつめた神経を緩めたかった、それが“たがを外させた”のかな、とか。 『あの家を訪れた二人の男の、水場で話していた方のオヤジ次第だったってことは無いだろうか・・・?』とか。 いや、やっぱり愛してたんだろう。 あのラストのオディール嗚咽。 イヴァンとの事の後に見せた笑顔と、この嗚咽だけで充分だね。
そして思う。 最初に激しく見せ付けられた爆撃シーンの意味。 見るものに、あの辛いシーンでこのお話は、戦争中の物語だ。と言うことを、ことわっているのだと。
きっと、この状況でなければ出会わない二人。 きっと、この状況でなければ、出会っても愛し合わないであろう二人だということを。
あ、そだ。 わすれちゃならない、オディールの子供達。 お兄ちゃんも妹も、とても良いのね。 二人とも、子供なのに大人びて。 でも子供。 妹なんて、さすがフランス女。イヴァンの寝込み襲っちゃうもん。 そして、お兄ちゃん。 お兄ちゃんの、イヴァンに対する感情の変化を思うだけで泣けてくる。
あー、もう一回見ておきたいとそればっかり。
IMDb・札幌マリオン劇場
か / 2004年03月05日
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