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May 26, 2005
靴に恋して/Piedras
コレは、宣伝に騙されてはいけません。
「靴に恋して」って、語呂も良いし、なんとなく素敵な予感・・・っぽいけど、内容は、別に靴に恋してるわけではありません。
そんなお気軽な、甘っちょろいもんでもありません。
甘っちょろくないけど、そこが凄く良いです。グッと来ます。
主人公の女達5人は、全く違う境遇で、年齢も様々だけど、皆、同じようにどうも上手く行かない人生に行き詰まり気味。
知的障害のアニータは、黄色いスニーカーを履き、犬のアルビノと毎日決まったコースを散歩して、大好きなお絵かきで一日を過ごす。
ある日、現れた、かっちょいい看護し見習いのホアキンに胸きゅ~ん。
アニータのお母さんのアデラは、売春クラブの支配人。
とうに女は捨てたと思ってたけど、ある日接待で店を訪れたナイスミドルのアタックに、胸きゅ~ん。
彼氏に捨てられた高級靴店の店員レイレ。
たまにこっそりお店の靴を盗んで、クラブで踊りまくり。
お金持ちのイザベルは、さびしく空しい生活を、高級な靴を買いあさる事で紛らわす。
友人に紹介された足のお医者さんで、深いところを言い当てられてドキーっ
スリッパを履いてタクシードライバーで血の繋がらない子供を養うマリカルメン。
旦那さんは、結婚して1年で死んでしまった。
この5人、最初は全く関係ないように進んでいくんだけど、微妙に重なっていく展開の塩梅がスバラシイ。
5人のキャラクタや、その周辺の人々まで、“ああ、この人はこういうひとなんだな”ってのが、とてもとても丁寧で、気持ちいい。
二時間ちょっとと、上映時間は長めだけど、全然そう感じさせないのに、すごく内容が濃く感じるのは、この丁寧に描かれたキャラクタと、それぞれのエピソードが魅力一杯だからだね。
5人はみんな、決して幸せを掴んだワケじゃないけど、それぞれがちょっとだけ不幸な気持ちから抜け出せたように感じさせるラストは、清清しくて泣きます。
以前見た、「女はみんな生きている」も、行き詰った女性が、不幸から抜け出すお話だったけど、あたしはイマイチハマれなかった。
女の人生対決、スペイン対フランスは、圧倒的にスペインの勝ち。
投稿者 kove : May 26, 2005 02:30 PM | m・映画メモ部